赤ちゃんの歯はいつできるのか。
2022/11/02
こんにちは、院長の石原です。
今日はまた穏やかな秋晴れが戻ってきましたね。
本日は赤ちゃんの歯のお話です。
我が家にも3人子供がおりまして、男の子2人、女の子1人ですので何かのご参考になればと思います。
実は赤ちゃんの歯というのは、みなさまの想像よりだいぶ前から作られていて、なんとお母さんの妊娠中、とても早い時期から作られることがわかっています。子どもの歯と呼ばれる乳歯はもちろん、大人の歯と呼ばれる永久歯もすでに作られはじめているんです。
ですので妊娠中のお母さんの健康状態や、食事の内容次第で赤ちゃんの歯の健康が大きく変わってきてしまいます。
今回は、大切な子どもの歯を守るためにママが気をつけなければいけない事についても少し触れながらお話できればと思います。
赤ちゃんの歯の基礎づくりはお母さんのお腹にいるときから作られ始めています。歯という組織はほとんど新陳代謝がないと言われています。正確に言えば全くないわけではありませんが、基本的には歯がいったんでき上がってしまうと、お母さんがあとからいくら必要な栄養素を補っても歯には取り入れることができません。歯が作られる時期にこそ歯にとって大切な栄養素をきちんと摂れるかどうかが大切なポイントになります。
では実際にいつから歯ができ始めるのかですが、多少個人差がありますが、おおむね赤ちゃんの歯は妊娠7週ごろには乳歯の歯胚(歯のおおもとで、芽のようなもの)が形成されています。妊娠から4〜5ヶ月が経つと赤ちゃんの形成中の乳歯は、石灰化(歯がだんだん硬くなる)が始まります。そして乳歯の生える準備ができると今度はすぐに永久歯の石灰化も始まります。このように、お母さんのお腹の中にいる間にものすごいスピードで赤ちゃんの歯は形成されていきます。
しかしみなさんが実際に歯を見られるようになるのはなんと生後6から9か月ですのであんまりイメージできないかもしれませんが、妊娠初期から歯のためには注意が必要なのです。
では次に、お母さんが取るべき栄養素はどんなものがいいのか見ていきましょう。
歯をつくるのに欠かせない栄養素としては、 タンパク質、ビタミンA、D、B1、B2、C1、ニコチン酸、鉄、ヨウ素、マンガン、亜鉛、フッ素などがあり、 歯の大部分をつくる石灰分はカルシウムとリンから成り立っています。妊娠中にがこれらの歯を作るのに必要な栄養素を充分に摂取できていれば、歯の石灰化もスムーズに進み赤ちゃんの歯を強くすることが期待できます。
とくに赤ちゃんの歯を強くするためには妊娠中は歯の石灰化を助けるミネラル成分、つまりカルシウムとリンが多い食事が大切です。例としてはチーズや牛乳などの乳製品やひじき、小魚などの海産物などから上手に摂取すると効果的です。またカルシウムとリンのバランスが重要になってきます。どちらか一方が不十分だと吸収も悪くなることがわかっているので注意が必要です。
現在の日本の食生活では加工食品の利用が増えており、食品添加物として使われている各種リン酸塩の摂取がどうしても多くなる傾向にあります。よってリン不足よりもむしろリンの過剰摂取の方が問題となっています。
逆にカルシウム摂取量は国民健康・栄養調査でかなり少ないことがわかっていますので、妊娠にかかわらず日頃から意識的にカルシウムを摂取することが大切です。
豊富なカルシウムを含むものとしては、ニボシ、メザシなどの小魚があげられます。骨ごと食べることができさらに脂質、タンパク質、リン、フッ素、ビタミンDなどを多く含んでおり、妊婦にとって理想的な食材といえます。赤ちゃんのためだけでなく、ママ自身の健康の為にもカルシウムやリンを含む五大栄養素をバランスよく取り入れて下さい。
歯の栄養には、カルシウムだけでなく、タンパク質、リン、ビタミンA・C・Dの栄養素を含む食品をバランス良くとることが大切です。
カルシウム(ひじき、チーズ、しらすぼし)とリン(米、牛肉、豚肉、卵)は、歯の石灰化のための材料に、タンパク質(あじ、卵、牛乳、豆腐)は歯の基礎となり、ビタミンA(豚、レバー、ほうれん草、にんじん)は、歯の表面のエナメル質の土台となり、ビタミンC(ほうれん草、みかん、さつまいも)は、もう一層下の象牙質の土台となり、ビタミンD(バター、卵黄、牛乳)はカルシウムの代謝や石灰化の調節役となります。
このように子供の歯を丈夫にさせるのはお母さん自身がしっかり栄養をとることが非常に大切です。日頃から意識して生活することを心掛けて下さい。
学芸大学やまびこ歯科医院ではこのような妊婦さんの歯の悩みや相談も随時受付しております。また子育て中の女性歯科医師も在籍しておりますのでお気軽に連絡して下さい。
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