妊婦さんの歯科治療について
2022/11/12
こんにちは、院長の石原です。
今日は穏やかに晴れていますね。明日はせっかくの日曜日ですが、お天気が崩れるようなので、今日の晴れ間を有効にお使いください。
本日は妊娠中の歯科治療についてお話したいと思います。
当院には、ご妊娠されている方も少なからずご来院して頂いております。
その中で、妊婦さんからのよくあるご質問についてお答えしたいと思います。
①歯の治療の前によくエックス線撮影しますが、胎児に影響ないんですか?
我々は、日本国内で日常普通に生活していても放射線を浴びています。それは1年間に浴びる自然放射線量といい、およそ1.4mSvあります。実際に歯科治療で使用されるデンタルエックス線撮影約150回分に相当します。また、実際に撮影するときは防護エプロンの着用により被ばく線量をある程度軽減できること、さらに歯科用のエックス線撮影は胎児がいる腹部から離れた頭頚部を撮影するため、胎児にはほとんど放射線が当たらず、影響がほとんどないと考えられています。したがって、診断治療のために必要に応じてエックス線撮影を行っても問題ないと思われます。しかし念のために、撮影は必要最低限にとどめるべきだと当院では考えております。
②妊娠中でも痛み止めや抗生物質を飲んでも大丈夫ですか?
基本的な考え方として、妊娠中は薬をなるべく内服しない方がよいと考えます。特に妊娠初期は胎児の器官や臓器の形成期に相当するため、薬は極力使用しない方がよいとされています。
しかし、薬を使用しないことで母体に悪影響があると考えられる場合には、胎児への影響の少ない(非ピリン系のアセトアミノフェン)や抗菌剤(ペニシリン系、セファロスポリン系)を必要最小限投与します。
また、出産後の授乳中も注意が必要です。授乳中の鎮痛剤や抗菌剤の使用については、母乳中に薬の成分が移行する量はわずかであるため授乳をやめる必要はないと考えられています。これも必要に応じて最小限の服用にとどめておきたいものです。
③歯科治療するときに使用する麻酔は影響ないの?
歯科治療で使用する麻酔薬は2%リン酸リドカイン製剤(歯科用キシロカイン、オーラ注)になります。これを通常量使用した場合、胎児や母乳への影響はほとんどないという報告がこれまでにたくさん報告されています。逆に麻酔薬無しで、虫歯などの痛みを伴う治療の場合、痛みによるストレスが母体に与える影響を考えると、安定期(16週以降)の場合は局所麻酔を使用した方がよりよいと考えます。
また麻酔時の痛みを極力減らすため、麻酔薬を使用する直前に体温に近い温度にしておくこと、表面麻酔薬の併用や細い注射針の使用、母体にやさしく緊張を和らげるような対応、このすべてが大切なことになってきます。こうしたちょっとした気遣いができる歯科医院、それが学芸大学やまびこ歯科医院が目指すかたちになります。
妊娠中も出産後も安心して歯科治療が受けられる体制をととのえて皆様をお待ちしております。
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